今月の一枚

2016年2月 コンバーチブル・ホースマン/ホースマン62mmF5.6

201602_camera1L

フレームファインダーをセットしたところ(接眼部はない)。

フレームファインダーをセットしたところ(接眼部はない)。

フレームファインダーの接眼部を収納したところ。

フレームファインダーの接眼部を収納したところ。

底面にはフィルムホルダーの脱着用のスライド式ロックがある。

底面にはフィルムホルダーの脱着用のスライド式ロックがある。

フィルムホルダーを取り外したところ。

フィルムホルダーを取り外したところ。

ピントグラスを装着したところ。

ピントグラスを装着したところ。

フィルムホルダーの内部。

フィルムホルダーの内部。

作例1 F11 1/250

作例1 F11 1/250

作例2  F11 1/30

作例2  F11 1/30

作例3 F11 1/250

作例3 F11 1/250

作例4 F11 1/250

作例4 F11 1/250

作例5 F11 1/125

作例5 F11 1/125


 

コンバーチブル・ホースマンは1970年(昭和45年)4月に駒村商会が販売を開始した、広角専用の特殊構造カメラです。発売当時の価格は107,700円でした。

とてもシンプルな構造のカメラで、前板部には固定鏡胴のレンズとシャッターユニット、フレームファインダーが組み込まれているだけです。前枠と中枠、そしてピントグラスやホルダーが簡単に交換できるようになっています。

レンズはホースマン62mmF5.6で、対称型の構造です。シャッターはコパル製のレンズシャッターで、速度設定はバルブと1秒~1/500秒までです。レンズ鏡胴外周のシャッターセットリングを回転させて設定します。ボディ前側から見て鏡胴右側に出ているのがシャッターチャージレバー、左側がシャッターレリーズレバーです。実際にカメラを構えると、左手でシャッターをチャージし、右手でレリースすることになり、撮影は大変軽快に行うことができます。ピント合わせは目測式で最短撮影距離は1mです。フレームファインダーで構図を決めるので、とてもスピーディに撮影することができますから、スナップ撮影にはたいへん適したカメラだといえるでしょう。

専用のロールフィルムホルダーは、6x9cm判と6x7cm判が用意されていました。6x7cm判は絞り開放F5.6から撮影できましたが、6x9cm判の場合にはイメージサークルがカバーするF11まで絞る必要があり、このためレンズ鏡胴の絞り指標はF11を境にして色分けされています。フィルムは120判と220判の使用が可能で、レバー式巻き上げです。ロールフィルムホルダーとボディとは機械的な連動機構はまったくありませんから、シャッターを切ったらホルダーの巻き止めを解除して1コマ巻き上げるという動作を繰り返す必要があります。

コンバーチブル・ホースマンには交換レンズも企画されていたそうですが、残念なことに発売されずに終わってしまいました。このカメラは非常に小型で取り扱いしやすい広角専用カメラなので、現在もとても人気があります。故障しやすいのはシャッターの動作不良、レンズのクモリ、そしてフィルムホルダーの光漏れなどで、カメラの整備は比較的容易です。

フィルムはフジ160S