コンテッサ35は、第二次世界大戦前世界最大最有力のカメラメーカーであった、ツァイス・イコン社が戦後まもない1950年に発売を開始した35mm判高級コンパクトカメラです。
コンテッサの名前は、戦前ツァイス・イコン社がドイツの有力カメラメーカー4社の合併で成立した際、そのひとつであったコンテッサ=ネッテル社に由来していますが、イタリア語では「伯爵夫人」という意味です。その名の通り、左右シンメトリーなデザインは非常に美しく、気品にあふれていて、そのデザインに魅せられて手にしてしまう人も多いようです。
しかしカメラとしての性能も非常に優れており、シャッターは当時世界最高の品質を持っていたコンパーシャッターを備え、ツァイス・イコン社お得意のドレーカイル式一眼連動距離計を内蔵、その上に当時はまだ普及し始めたばかりのセレン光式の露出計まで内蔵していました。つまり、このクラスでは世界トップレベルの性能と品質を持ったカメラなのです。
さらに特筆すべきは、カール・ツァイス社の代名詞テッサー45mmF2.8レンズの驚くべき描写性能でしょう。そのシャープでありながら、暗部のディテールの再現に優れたレンズの描写力は、21世紀になった今でも実に魅力的です。
コンテッサ35は機構が複雑なカメラですから、きちんとメンテナンスされた個体を手に入れるようにしてください。早田カメラ店には常時オーバーホール済みのカメラがあります。 またこのコンテッサ35は弊社でも多数オーバーホールしておりますので、不調が感じられましたらどうぞ遠慮なくご相談ください。