今月の一枚

2005年6月 コンタフレックス・スーパーBC テッサー50mmF2.8

作例1 1/125秒 AE コニカミノルタ センチュリア200S

解説

西独ツァイス・イコン社が初めててがけた35mm判一眼レフが、コンタフレックス(1953)でした。レンズシャッター式の金属製一眼レフとしては世界で初めてのものです。

ペンタプリズムを搭載した小型の一眼レフで、シャッターを切ると反射ミラーはあがったままで視野は暗転してしまいます。巻き上げるとミラーが下りてきて、またファインダーで視野やピントを確認することができるという、機能的にはその後一般化したクイックリターン式ミラーには劣りますが、レンズシャッター式一眼レフとしては無理をしていない機構であり、最終型のコンタフレックスS(1970年)までこの方式のままでした。

廉価な大衆向けの一眼レフとして開発されたこのコンタフレックスは、商業的には大成功を収め、100万台以上も販売されたベストセラーカメラとなったのです。このためこのコンタフレックスをまねたレンズシャッター式一眼レフカメラが、ドイツでも日本でもいろいろ登場することになります。

コンタフレックス自身も、だんだん高級化して発展し、今回撮影に使用したコンタフレックス・スーパーBC(1967)は、TTL方式のCdsS出計を内蔵した最終型と言えるもので、シャッター速度優先AEを備え撮影はとても簡単です。そしてその標準レンズであるテッサー50mmF2.8レンズの見事な写りは、ツァイスファンならずとも感激することでしょう。 レンズは前群交換式で、プロテッサー35mmから115mmまでと、等倍撮影用レンズや、400mm望遠レンズとして使用可能なモノキュラー(単眼鏡)などがあり、また撮影中にフィルムを交換できるマガジンバックなどのユニークなアクセサリーも揃っていました。レンズシャッター式のため、ストロボには全速度で同調するのも便利です。

コンタフレックスは、このように使ってなかなか楽しいカメラなのですが、メカニズムは複雑なので修理費用は比較的高いものです。弊社のオーバーホール料金は42,000円(税別)です。また初期型のコンタフレックスは内部機構が摩耗していて、修理不能となる場合もあります。完動品を慎重に選んで使いこなしたいカメラです。修理については遠慮なくお問い合わせください。