今月の一枚

2012年3月 マウンテン・エルマー105mmF6.3 + ライカD3

正面から。レンズは小さい。

レンズ単体。

専用フードを逆にかぶせ、専用キャップを装着。購入時にはこの状態で。

オリジナルの状態。内面反射が多い。

弊社で内面反射防止対策を実施後の状況。内面反射はほとんど消失。

作例1 黄金色 F12 1/200

作例2 東京スカイツリー F12 1/500

作例3 店先  F6.3開放 1/25

作例4 水上バス  F12 1/200

作例5 境内 F12 1/200

作例6  水仙

 

解説

今月はユニークなライカレンズ、マウンテン・エルマー105mmF6.3レンズをご紹介いたします。 マウンテン・エルマー105mmF6.3レンズは、正式な名称はただのエルマー105mmF6.3ですDSCN。ライカD2型と同じ1932年に発売された望遠レンズです。3群4枚構成で、レンズ径が小さいこともあって独特の外観を持っています。

外装は黒塗装で、距離環や絞り環は最初はニッケルメッキ、後にクロームメッキになりました。専用のフードとキャップが用意されていて、写真のように逆にかぶせて収納できるのは、携帯に便利ですし、レンズの保護にもなります。 このレンズは小型軽量で携帯性が特に良いことから、多くの山岳写真家に愛用されたということです。そして世界的にマウンテン・エルマーと俗称されています。実はこのレンズは製造本数約4,000本ほどと少なく、比較的珍しいものです。そのため付属品が揃い、状態のよいものはかなり高価です。

さて、最近このレンズは弊社の委託品に登場したものです。レンズの状態はとても良く、コーティングもされていたので、写りは大変よいはずでした。しかし入手されたお客様から、今ひとつという話をうかがい、写真を拝見させていただきました。そうしたらなんとひどいホットスポットが現れています。レンズの内面反射の影響です。ただちに修理をお受けし、写真のように2種類の反射防止用素材を適所に使用することで、内面反射をほぼ消すことができました。

作例写真は、修理完了後に私の愛用するライカD3に装着して撮影したものです。見事にシャープかつクリアな写真がコンスタントに撮れるようになりました。エルマーらしい素敵な雰囲気です。私もこのレンズが欲しくなってしまいました。

弊社ではオーバーホールも含めて処置いたします。どうぞ遠慮なくご相談ください。

★撮影フィルムはすべてフジSG400