オリンパスペンは日本におけるハーフサイズブームを先導したカメラです。またオリンパスにとってはペンシリーズだけで1,000万台を越える販売を記録し、当時のオリンパスの屋台骨を支えたカメラ群でした。すでに今月の一枚で初代ペンやペンDをとりあげていますので、開発の経緯などはそちらをご覧ください。
オリンパスは1955年にオリンパスワイドを発売し、日本の35mm判広角専用機のブームを先導したことはよく知られていますが、大ヒットを続けるペンシリーズにもプロカメラマンやハイアマチュアが喜ぶ広角専用機を作ろうという企画によって登場したカメラが、ペンW(ペンワイドと呼称されることが多い)で1964年に登場しました。プロ用途ということで、外装はそれまでのクローム仕上げではなく黒塗装になっています。
撮影レンズは新開発のEズイコー25mmF2.8で3群5枚構成です。ベースとなっているカメラはペンSですので、シャッター速度レンジは1/8~1/250秒、ピントは目測式で最短撮影距離は60cmです。しかしこのカメラはメーカーの期待に反してあまり売れなかったようで、現存数はあまり多くありません。今ではこのカメラの人気は非常に高いため、ペンシリーズでもっとも高価なカメラとなっています。
今回撮影に使用したカメラは弊社でオーバーホールしたばかりですので、各部の動作は良好で、撮影はとても気持ちよくできました。現像も浅草のパレットプラザに依頼したところ、数日でプリントまでしてもらえました。撮影結果は作例写真の通りハーフサイズでもシャープで、お散歩カメラには最適な一台です。
★作例写真 フィルムはフジ業務用フィルムISO100