ハヤタ・カメララボについて

店長あいさつ

ハヤタ・カメララボ店長 根本泰人 クラシックカメラの伝道師こと早田清です。私は早田カメラ店(有限会社フォトバザール・ジャパン)でクラシックカメラの販売をいたしております。早田カメラ店は親父の代から数えて今年で52年目を迎えました。そして私は30 年以上にわたり、クラシックカメラの発掘・普及に心血を注いでまいりました。

 年に数回、仕入れのためヨーロッパを訪れるようになって17年。いまだに、初めて見るクラシックカメラを見つけると、まるで宝物を見つけたように脈が早 鐘を打ちます。値段交渉のときは、少しでも安く買い取るべく頭を巡らせ、狙いよりも安ければ、相手に悟られまいと笑顔をこらえ、つたない語学力でがんばっ て仕入れております。

 ある時はロンドン郊外の学校の講堂で開催される、小さな中古市で。またある時はパリの小さな公園で、いろいろなアンティークと共にちょっと面白いクラ シックカメラを持ってくる露店商の店で。はたまた、世界的に有名なクリスティーズのオークション会場で、並みいるコレクターと競い合ってせり落としたり、 と仕入れの舞台もさまざまです。

 このようにして仕入れてきたカメラはすべて分解し、オーバーホールをしてから販売いたしております。きちんと撮影できる状態でカメラをお客様にお渡しす ることが、カメラ屋としての責任であると考えております。カメラの整備の技術は独学で研究して参りました。すでに修理を行ってきたカメラは国内外 4,500種類を越えました。お陰様でお客様からの長年の信頼を得て、楽しく商売を続けております。
こうした中で、お客様からカメラの修理をお願いしたいという相談をたいへん多くお受けするようになってまいりました。しかしながら早田カメラ店は家族経 営の小さな店で、私がカメラの販売と修理の受付の両方に対応することは物理的にも時間的にも無理でありました。このため修理のご依頼はお断りしてきたのです。

 しかし3年前、私のお客として長年のおつきあいがありました根本が、クラシックカメラの修理の現状に危機感を抱き私に相談にまいりました。そしてその結 果として、それまでの仕事を辞め私と共にクラシックカメラの修理専門店であるハヤタ・カメララボを設立することとなったのです。

  ハヤタ・カメララボでは、お客様のカメラを最高の状態にするべく各種のメンテナンスをお受けすると共に、お客間がクラシックカメラを楽しむために必要な 様々なサポートを行っていくことを目的といたしております。メンテナンスについては、写真機はあくまでも写真を写す道具。たとえその機種に合ったフィルム が入手困難であっても、撮影できるように、必要な分解調整は施します。しかし、どのカメラやレンズも独特の面影は大切に、できる限り製造当時の姿を変える ことがないようにしたいと考えております。

 数10年も前のカメラだから、数10年前のような味わい深い写真が撮れる、などと単純にはなかなかいきません。けれど、いずれも時がゆるやかに流れてい た時代の品々です。私が育てた職人たちが、その手で組み立て、目で測り、自分の持てる技術をおしみなく駆使して仕上げてまいります。

 このハヤタ・カメララボでメンテナンスされ最高の状態となったカメラで、のんびりと楽しい思い出の一枚を写していただければ、クラシックカメラを愛する ものとしてこの上なき幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

早田 清  2002年11月

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