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今月の一枚  2007年9月
リコーフレックス Mod.VI リコー・アナスチグマット80mmF3.5
Ricohflex Mod.VI Ricoh Anastigmat 80mmF3.5

リコーフレックス Mod.VI リコー・アナスチグマット80mmF3.5   スーパーベッサ ヘリア105mmF3.5
  作例1  1/100 F16 フジS160PRO
   
リコーフレックス Mod.VI リコー・アナスチグマット80mmF3.5背面から。 スーパーベッサ ヘリア105mmF3.5作例2
1/100 F8 フジS160PRO
リコーフレックス Mod.VI リコー・アナスチグマット80mmF3.5中枠をとりはずしたところ。フィルム装填は簡単。   スーパーベッサ ヘリア105mmF3.5作例3 
1/100 F11 フジS160PRO
リコーフレックス Mod.VI リコー・アナスチグマット80mmF3.5リコー・アナスチグマット80mmF3.5レンズ。    
リコーフレックス Mod.VI リコー・アナスチグマット80mmF3.5リコーフレックス・ニューダイヤ(1956)。    

解説

 リコーフレックスは、我が国において第二次世界大戦後昭和20年代後半から30年代前半に起こった二眼レフカメラブームの頂点に位置したカメラです。写 真のリコーフレックスVI型は昭和28年の発売ですが、銀座の三愛の前にこのリコーフレックスVI型を購入したい人が長蛇の列を作った話は有名で、また販 売価格8,300円に対してプレミアムがついて1万2千円までになったそうです。その人気の理由は、カメラの基本性能がしっかりしていて写りが大変良かっ たのに、他社の二眼レフよりはるかに安かったからです。当時は大メーカーから四畳半メーカーまで二眼レフを作るメーカーが乱立しており、性能は最高級だが 価格も高いカメラか、安いが品質は粗悪というカメラが大多数だったなかで、リコーフレックスは人々の支持を集めたのでした。
 
  リコーフレックスの最初のモデルは戦前昭和14年頃に登場しています。戦後は昭和25年に登場したリコーフレックスⅢ型からです。Ⅲ型は上下のレンズをギ アで連動させる方式を採用、フィルムを装填する中枠が取り外せるというその後のリコーフレックスの原型となったモデルです。ボディは板金加工で作られてい ました。
 
  VI型は基本的な構造はⅢ型と同じで、シャッターはリケン製でバルブのほかは、1/25、1/50、1/100の三段階です。撮影レンズはリコー・アナス チグマット80mmF3.5です。作例を見てわかるように、そのシャープさにはびっくりします。ただシャッター速度が1/100までしかないため、手ぶれ しやすいので使い方に注意しましょう。
 
  リコーフレックスは昭和31年のダイヤから新設計となり、ダイカストボディを採用した高級なカメラに発展しました。国内販売された最後のリコーの二眼レフ は、昭和34年のリコマチック225です。
 
  なお、リコーフレックスの整備は一般の国産二眼レフと同じ料金です。

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