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作例1 F8 1/200秒 コニカセンチュリア100S | ||
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解説
このところ中判カメラばかり取り上げていましたので、今回はライカ判のカメラです。
「コンタックス」というカメラネームは、カメラ界のビーグネームではありますが、修理を受ける立場としては必ず「どのコンタックスですか?」と聞き返さ なくてはなりません。つまり戦前からのレンジファインダー・コンタックスか、今回ご紹介する東独の一眼レフカメラであるコンタックスか、そしてつい先日カ メラ事業を投げ出してしまったキョーセラのコンタックスか確認が必要になるわけです。そして前二者なら修理可能ですとお答えすることになる次第です。
さて東独のコンタックスシリーズは、第二次世界大戦後まもない1948年に登場したコンタックスSから始まります。コンタックスSは一眼レフカメラ隆盛 の礎になったカメラといって良く、それはファインダー光学系に初めてペンタプリズムを採用し、アイレベルで正立像を観察しながら撮影できるという画期的な 性能を備えていました。
35mm一眼レフはイハゲー社のキネ・エキザクタからその歴史が始まりますが、コンタックスSまではウエストレベルファインダーでカメラの上から左右逆 像のイメージを観察しながら撮影していたのです。
カメラとしてみると、コンタックスSはM42プラクチカマウントを採用しているため、様々なM42マウントのレンズを楽しむことができます。コ ンタックスSは一眼レフとしては初期の傑作機ですから、まだレンズの自動絞り機構やミラーのクイックリターン機構といった機能は搭載されていませんので、 使い方はごくシンプルです。
このカメラは低速シャッターと高速シャッターの切り換え方が独特で、背面のノブで切り換えます。シャッターダイアルをセットするときには、ダイアルを下に 押しながら回します。低速シャッター時にはスローガバナーの動作と共に、シャッター速度ダイアルがゆっくりと回転するのが楽しいカメラです。
今回の作例は、当時の大口径標準レンズ、ビオター58mmF2を使用しました。ビオターは4群6枚のガウスタイプのレンズで、開放では柔らかめ の描写ですが、少し絞ると非常に鮮鋭な写りとなります。良く写るレンズだと思います。
以上、詳しくは写真 工業誌2006年2月号に解説いたしましたので、そちらもご覧いただければ幸いです。
なお東独一眼レフのコンタックスの整備は、ほとんどの場合シャッター幕交換が必要です。したがって整備費用は6万円以上かかるとお考えください。